くらむせかい

精神虚弱なぼっちヒキニート

旅立ちの日はいつも雨

それが父の口癖だった。
土日があけて、出勤をする憂鬱な月曜日。
車のワイパーを停車ごとに止めながら、わたしたちは進んでいく。
クリアーなフロントガラス、雨に濡れそぼれるフロントガラス。
交代ごうたい。
わたしの耳にだけ流れるアジカン
ふたりの耳に流れるNHKのラジオ講座
父の未熟な発音。

雨の日は昔のことを思い出す。
思い出したくないことも、思い出したい記憶に紛れて、蘇ってくる。