2022-05-27 旅立ちの日はいつも雨 それが父の口癖だった。土日があけて、出勤をする憂鬱な月曜日。車のワイパーを停車ごとに止めながら、わたしたちは進んでいく。クリアーなフロントガラス、雨に濡れそぼれるフロントガラス。交代ごうたい。わたしの耳にだけ流れるアジカン。ふたりの耳に流れるNHKのラジオ講座。父の未熟な発音。 雨の日は昔のことを思い出す。思い出したくないことも、思い出したい記憶に紛れて、蘇ってくる。