くらむせかい

精神虚弱なぼっちヒキニート

シナプス的な恋愛

シナプス的な失恋を受け止めきれないでいる。相手は女性で、よく笑うひとで、以前はわたしにも、よく笑いかけてくれた。
このシナプス的な失恋にあたり、シナプス的な不倫相手とでもいうべき相手は無数におり、ひとりふたりを説得したところで、この恋愛は元の形には戻らない。
進みゆく線路の車窓から、わたしひとりだけが投げ出された形だ。
傷ついているのは、投げ出されたことにではなく、まだ列車には無数の人びとが乗っており、彼女彼らもまた無数の乗降車を繰り返していくだろうということだ。そこで彼女彼らは、彼女に会い、恋愛をすることができる。

恋愛はわたしにそっぽを向いた。
仕方ないからわたしは歩いた。だれも歩いたことのないような麦畑の中を。
それはどこまで歩いても駅舎にはつかないほど、壮大なシナプス的な麦畑だった。