2023-02-14 人生で一番古い記憶 お題「人生で一番古い記憶」 薄暗い教室にわたしは一人で座っている。 午前7時半。 家族の都合で朝早く家を出て、車から降ろされたのは、つい、今し方のこと。 おもちゃが並んでいる。 引っ込み思案で普段は触れないおもちゃが、今ならどれでも触り放題。 だけどわたしはどれに触れていいのか分からなくて、じっと体を強張らせたまま、教室の中にひとり、座っている。 これが、人生で一番古い記憶。 淋しくて心細くて虚しくて、泣きたくなるような記憶。