伝えられないものでできた国に
鍵を締める役を
そろそろ辞めたい
診察が長引いて
時計の針は不正を計る
そんなことしないで
そんなうふうに考えないで
言葉たちに潰れたわたしが
散らばっている
午前一時のアスファルト
わたしにもできることをください
わたしにできないことを教えてください
知らぬ間に寝入ってしまったチビ猫が
明日が来るのを待っている峠で
わたしは帆をしまう
ここからは進めない
ここには水面がない
信じて
信じて
優しさの言葉を糧にして
眠れないことを理由にして
わたしはわたしを罰し始める
さよならもいい忘れてしまったから
わたしはもう
風の中にいる